子どもは、低迷期(不登校中期)に十分こころのエネルギーをためられると、
一人で外出をしたり、社会とのかかわりをもち始めます。

ちょっと一人で買い物行ってくる

受験してみようかな
このような、言葉や行動が現れてくるのが、回復期(不登校後期)です。
今回は、
「自分をみとめて動き出す 回復期(不登校後期)」について考えます。

今の自分を認められるようになれば、
未来に向かって動き出すことができるよ!

中学生・高校生の不登校、回復期の5ステップ
回復期は、社会とのかかわりをもち、動き出し、
学校に復学したり、新しい世界に挑戦したりと、活動的になる時期。
少しずつ動き始めて、家の中から外の社会へとつながりが出てくる時期です。

バイトしてみようかな・・
大学にいってみようかな・・
「○○してみようかな」という、
「したいこと」や「好きなこと」に取り組むようになります。
でも、回復期に入ったからといって、すぐに学校に行かれるわけではありません。
少しずつ、外の世界を確認しながら行動範囲を広げ、自信をつけていきます。
自分のことを肯定することができるようになった時、
学校に行かれるようになるのです。
では、子どもの様子とこころの回復への過程の例をみていきましょう。
中学生・高校生の不登校 回復期:STEP1 家族とのかかわりがでる
【子どもの様子】
・表情がやわらぐ
・緊張やあせりの表情がうすれる
・笑顔がおおくなる
・よく眠れるようになる
・家族と一緒にいる時間や会話が増える
・家族と食事をする
・過食・拒食をしなくなる
・夜、コンビニに行く
【子どものこころ】
・自分の受け入れ

低迷期(不登校中期)に自分と向き合い、
心を整理することができてくると、
普段の表情も和らぎ、
家族との会話やコミュニケーションが取れるようになってきます。

中学生・高校生の不登校 回復期:STEP2 家から外へ確認しながら世界を広げる

【子どもの様子】不特定多数の中で自己確認
✅大勢の人が集まるところへ行くことができる
・散歩や運動をするようになる
・買い物に出る
・駅や繁華街に行く
【子どものこころ】
・自分の受け入れ
駅や繁華街などの、不特定多数の人たちが集まるところに行き、
誰も自分のことは気にしていないことに安心し、
こんな小さな経験を積むことで、少しずつ自信がわいてきます。

中学生・高校生の不登校 回復期:STEP3 自分と趣味の・興味の共通する人が大勢集まるところに行く

【不特定多数の中で同一行動の確認】
✅観衆のみんなと同じ行動をして、大勢の人との一体感を確認する
・コンサートに行く
・Jリーグや野球の観戦に行く 等・・
【子どものこころ】
・対人への不安&不信の減少⤵
自分と趣味・興味の共通する人が大勢集まるところ(コンサート、スポーツ観戦)に行き、
大勢の人と同じ感動を味わい、「自分も他の人とも同じなんだな~」という安心感を得る。

中学生・高校生の不登校 回復期:STEP4 安心できる人とのつながり(元気に見えても学校等はまだ行かれない)

【同世代との消極的行動の関係性の確認】
✅安心できる人とつながる
・支援個所とつながる
・仲の良い友達と話す
・居場所に行く
・安心できる人とつながる
【子どものこころ】
・対人への不安&不信の減少⤵
・対自分への不安&不信の減少⤵
同世代で安心できる人間関係や場所に行き、
自分の考え・感情・気持ちを伝え、
他人の反応を見てみる。
この同世代との交流を繰り返して、次第に自信をつけていく

中学生・高校生の不登校 回復期:STEP5 同世代の子との積極的な行動が増える(社会とのつながりが出てくる)

【同世代の積極的活動・人間関係のスキルや距離感の獲得】
✅自己肯定感がアップし、安心して自己表現ができるようになる。
・趣味の会(オフ会)に出かける
・友達と会って話をする
・学校、勉強、進路などを気にする会話が増える
・ボランティアをする
・バイトをはじめる
・勉強をする
・高校、大学、予備校に行く
【子どものこころ】
・具体的な不安(体力、学力)
・追いつこうとする焦り
・心の奥底に残る劣等感
・二度と引きこもりたくない
・自己嫌悪感の世界からの脱却
・自分の考えと意見で行動
・自己肯定
同世代との交流や活動が増えていくと、さらに自信をつけることができ、
この時点で、再登校や新たな道へ進むことができます。
でも、
勉強を再開したり、
バイトを始めたり
学校に戻ったり、
新しい学校に通い始める
ということが、すぐにできるわけではありません。
小さな経験を積む
⇩
自分に自信がつく
⇩
少しずつ行動範囲を広げながら、
新しいことにチャレンジしていく

子どもの心にも変化があって
動き始めたころは、自分の中に劣等感をもちつつ行動しているけれど、
いろいろな経験を重ねるうちに、自分に自信がついてきて
自己を肯定できるようになります。
まとめ
今回は、「高校生の不登校 回復期の5ステップ」について考えてみました。
STEP1 家族とのかかわりがでる
STEP2 家から外へ確認しながら世界を広げる
STEP3 自分と趣味の・興味の共通する人が大勢集まるところに行く
STEP4 安心できる人とのつながり
STEP5 同世代の子との積極的な行動の増加(社会とのつながり)
今の自分を認められるようになれば、未来に向かって動き出すことができます。
不登校問題に長年携わっていらっしゃる
「不登校問題を考える東葛の会『ひだまり』さんの冊子」ではこのように書かれてあります。

動き出したら不登校が終わりではありません
「過去の体験・不登校は無駄でなかった」
「不登校したから、今の自分がある」
と思えることがゴールです!
子どもが、そう思える日までもう少し親として見守っていきましょう!
今回の記事は、こちらのサイトや本を参考や引用をさせていただいております。
※1 東京都教育相談センター 広報「すこやかさん」第32号
※2 「不登校、ひきこもりと向き合う」~子ども、若者の生きづらさをどう支えますか 北風より太陽を~
不登校問題を考える東葛の会「ひだまり」
※3 ひきこもり/不登校の処方箋 ~心のカギを開くヒント~ 牟田武生 著 オクムラ書店
高校生で不登校になった子どものうち
5人に1人は、今までの学校とは違う道を歩む・・中途退学していきます。
不登校の解決は元の学校に戻るだけではありません。

「子どもが次への一歩を踏み出したい」という時に
親がすぐに情報を与えてあげられるということが大事!
資料だけでも手元に置いておくのもいいですね!

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