不登校の回復をテーマに考えてみたいと思います。
「不登校の回復」って、どんなふうに考えていますか?
かつての私はこう思っていました
「学校に戻って他の子と同じように学校生活を送り、ギリギリでもいいから卒業してほしい」
でも当時、相談させていただいていたNPO法人の先生にこう教わりました

一番は、お子さんが元気になることです!
元気になると
自分のやりたいことがみつかり、
それに向かって動き出すことができますよ!

不登校の回復=学校に戻ることとは限らない
「不登校の回復」=「学校に戻ること」という定義にしてしまうと
学校に戻れなかった場合、
子どもは、「学校に戻れない自分はダメな奴」という思いを抱き
自己肯定感を下げてしまう事になります。
では、
「不登校の回復」=「自分は自分でいいと思えること」
という風に考えてみてはいかがでしょう?
悲惨な経験により精神的なダメージを受けた状態から
うまく適応する過程や能力、および結果の事を
「レジリエンス」というようですが、
レジリエンス(回復過程)と
自尊感情(自分は自分でいいと思える感覚)は
とても関係深く、重なり合うということが分かっています。
(参考資料:『自尊心の心理学 ~理解を深める「取扱説明書」~』 中間玲子 編集 金子書房 P127)
「不登校の回復」=「自分は自分でいいと思えること」と考えると、

元の学校でもう一度頑張ってみる!
と子どもが思えれば、元の学校で頑張ればいいし。

今までの学校ではなくて
違うところでやり直してみようかな!
と思えば、違う環境で頑張ってみる方が、
本人にとっては、環境を変える方がこころの回復につながり、
不登校になる前よりも
精神的に良い状態になることもあるようです。
不登校の回復は人それぞれ
演出家として有名な「宮本亜門さん」もかつては不登校を経験されたようです。
学校に行きたくない君へ「ふつう」なんてありません。
それは、誰かが勝手に作りだした幻想です。人は全員、顔も考え方も違うのに「ふつう」をつくりあげてしまうんです。
なぜなら自分が他の人とちがうのが不安だから。
僕も「ふつう」に苦しめられてきました。
「学校に行きたくない君へ 大先輩たちが語る生き方のヒント~」 全国不登校新聞社 編 p130
そう言えば、「普通がいい」、「普通がいい」ってうちの子も言ってたな~。
「普通じゃなくてもいっか!」って、
子どもも親も思えたときに
不登校は回復に向かうのかもしれませんね。
不登校回復のために親は何をしてあげられるのか?

「親や周囲の人はどう接したらいいですか?」という質問に、
宮本亜門さんはこう答えています。
学校に行きたくない君へ答えを焦らず愛情を注いでほしい
親の方には申し訳ないのですが、
すぐに答えは求めないでほしいんです。本人は疲れはて、どうしたらいいのかわからないはずです。
苦しいんです。
本人が一番、自分で自分を否定し続けているんですから。
「学校に行きたくない君へ 大先輩たちが語る生き方のヒント~」 全国不登校新聞社 編 p129
だから親の方には、ほかの子とわが子を比べないで、
その子だけの個性を大切に見てあげてほしいんです。
不登校問題に長年取り組んでいらっしゃる
『不登校問題を考える東葛の会「ひだまり」』さんがまとめた不登校に関する小冊子
「不登校、ひきこもりと向き合う ~子供、若者の生きづらさを どう支えますか 北風より太陽を」に、
子どもとの向き合い方が書かれています。
・学校に行く行かないは本人に任せます
・家が居場所になるようにします
・子どもの「自己決定」を尊重し、
何をするか、しないか、任せるようにします
・休むこと、自分に向き合うこと、心を整理する時間を保障します
・子どもの声に耳を傾けます。子どものことばは宝です!
今までやってきたやり方や考え方を変えないといけないかもしれません。
でも、そうすることが子どものこころの回復につながると分かっているのなら
やり方を変えていった方がいいかもしれないですね。
一気にいろいろ変えていこうと思うのは大変だし、
親にもストレスがかかります。
やれそうなことから一つずつ。
まずは、子どもの話しに耳を傾けることからやってみられてはいかがでしょうか?
まとめ
「不登校の回復」をテーマに考えてみました。

不登校のお子さんをもつママさんやパパさんの
参考にしていただければ幸いです♪

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